ある夜の依頼

何か星新一の小説にありそうなタイトルだけど。
ある夜の10時半頃、メールが来た。チャラランとなる通知音。
そして呼応するかのようになる携帯電話。スクリーンには取引のある翻訳会社の名前。
こんな時間にこんな電話。そして依頼、その裏には…っていう。

メール画面を呼び出しながら、電話に出る。すると馴染みのコーディネーターさんの声が。メール画面を見ながら彼女の説明を聞く。
何でも早い話が、途中まで出来上がっているドキュメントを次の日の朝一までに仕上げて欲しいという。言われながらファイルを開いてざーっと見ていく。ほぼ半分が英文になっていて残りの半分が日本語原文という印象。それとちらほらと残る日本語部分。すでに翻訳の終わっている第一ファイルを参考にして、問題の第二ファイルの英訳を仕上げて欲しいということだった。

まあ最初に見た時は「これ、面倒そう…」と思った。でもよくファイルを見てみると、自分的には次の日は朝早くから出かける予定になってはいたものの、特に問題なく対応できそうな雰囲気ではあった。でもどうしてこんな事態に?と聞いてみると、どうやらその日の午前が最終納期だったこの仕事は、間に分納を挟んでいたらしく、分納後の最終納期になっても最後の訳文ファイルが一向に送られてこなかったという。送られてこないだけでなく、当の翻訳者とも連絡が取れなくなったため、急遽別翻訳者に頼むしかないとあいなって、自分のところに依頼が舞い込んできた、って話らしい。そんな話を聞いていたら、なおさら何か放っておけず、幸い対応はできそうだったので受けることにした。

てか思ったんだけどさ。
まず最終納期になっても訳文ファイルを送らず、連絡も取れない状況になる翻訳者って一体、っていう。どうよそれ。PCが雷に打たれてぶっ壊れようが、電話線がぶちきれて電話もインターネットも通じなくなろうが、なんとかして連絡しようとしないんですかね、その翻訳者。すげえなあと思って。別に、面倒な案件よこしやがってとかまったく思っていないんだけどね。どんな状況が発生していたか知らないけど、案件を最終的にシカトしちゃうってあーた。どーなのよそれ。さすがにそんなことしたことないしできない。もともとできそうになかったら最初から受けないし、万が一受けて実際「え、これ、終わんない…」となった場合の対応とか考えてスケジューリングするだろ普通。あ、でも「え、これ、終わんない…」とかなりそうだったら結局正直に「無理です、ごめんなさい」する。自分ならね。でもいやほんと、そういう迷惑な翻訳者だけにはなりたくない。無理。ダメ絶対。まあそのあと連絡がとれたのかもしれないけど、黙って納期ぶっちぎるのはダメなんじゃないか。ダメだと思うよわたくしは。

っていうようなことをそのコーディネーターさんと愚痴りあったっていう。

で、この依頼案件やりながらぼんやりと思い出したんだけど、前にもこういうことあったなーと。その時のケースも似たようなもんではあったんだけど、今回よりはかなりマシで、最初に依頼した翻訳者のPCが突如ぶっ壊れてにっちもさっちもいかなくなって別翻訳者、つまり自分のとこに電話が来たっていう経験があった。マシだったのはなぜかって言うと、その翻訳者はきちんと連絡をしてきたって言うこと。で、翻訳は3/4くらいできあがっていて、奇跡的に(コーデさんがそう言った)セーブされていたデータをもとに英訳して欲しいっていう依頼だった。納期は丸一日程で、まあ残りの分をやり切るには十分な時間だったので受けたんだけど、コーデさんは電話口で泣いていた。まあそういう修羅場(ってほどでもないかもだが)は初体験だったのかも。ビビっちゃったのと焦りでもうどうにもなんなかったのかもねー。まあでもPCぶっ壊れたらちょっと発狂するかもな自分も。バックアップ体制きちんとしとかんと。

あ、あと「泣いていた」ってので思い出したけど、友人の友人のお子さん(大学生)からの依頼で、英訳を付けて提出しないといけない卒論(だと記憶している)の提出期限が迫っていて、どうしても英訳できなくて焦って電話口でそのお子さんに泣かれたことあったな。「いや、まあお金さえ払ってくれれば期限内に訳すから心配しないでとにかくはやく原稿いただけますか」って言ったら「ありがとうございまずうううたずがりまずうううう」と五連発くらいされたっていうこともあった。納品時にも泣きながら電話きた。いやしかしよく泣くよなってくらい。

まあ泣いたところでどうにかなるわけじゃなく、結局のところ当人もしくは別の人間が事態収拾に動かない限りどうにもならないんだよねーっていうのと、納期ぶっちぎりはダメ絶対っていうのが今のところの見解。

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2 thoughts on “ある夜の依頼”

    • >ふわもこさん
      即答含め、同意ですねー。
      そういうマナーって考えればわかるんじゃないかとも思うんですが、そうでもないってケースもあるんですね。

      Reply

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