CATツール

翻訳の仕事をしているのであれば、必ずと言っていいほど目にしたことがあるであろうこの言葉、CATツール=翻訳支援ツール。

翻訳者だったら何かしらの翻訳支援ツールを使っているのではないでしょうか。WORDオンリーだったりテキストエディタをベースにという翻訳者さんもいらっしゃるかもしれないけど。
個人的に言うと、今まで使っていたCATツールといえば、OmegaT一択だった。理由は、とりあえず無料だったのと手軽に使えてCATツールを体験してみるのにちょうど良かったから。

なので、翻訳メモリの理解・取扱、用語集の作成・編集、タグの概念の理解等、このようなCATツールを扱うことに関して必要となってくる知識は、OmegaTを通して独学した、という感じか。

それが今年になって、ちょっと変化が。
まずいつもお世話になっているとある取引先よりTranslationWorkspaceをベースとした案件が増えており、ぜひとも使用を検討して頂けないかとの打診があったので、1ヶ月のフリートライアルバージョンで基本操作を押さえてみた。その後TranslationWorkspaceベースの案件を実際に受注して、実務でTranslationWorkspaceの使い方を覚えていっている。TranslationWorkspaceに関しては、この取引先が本当によくサポートしてくれるのでいろいろと助かっています。感謝です。

それともう一つ。
今年、ついにというようやくというか、業界標準ともいえるツール、SDLのTRADOS(Studio 2015)を導入した。これまで何度も導入しようかなと考えていて、でも価格ゆえ二の足を踏んでいたが、たまたまSDLのサイトをのぞいていたら、何と4割引セール。それでえいやっと購入してしまった。なので今夏より、ほぼすべての案件でTRADOSを使っている。

そこでちょっといろいろ調べてみたのが、OmegaTとTRADOS間でのTMの互換性。というのも、ずっとOmegaTを使ってきて、様々なプロジェクトでOmegaT形式でのTMが蓄積されているんだけど、そのTMをTRADOSでも有効活用できるととても助かるのだ。そうでないと、TRADOSを使ってTMを一から構築する必要が出てしまう。まあそれはそれでそうなってしまったら一からやるのでいいんだけれど。それとOmegaTで作成・使用していた膨大な用語集。この用語集もTRADOSで利用できる形式に変換できるととても便利なんだけどなと思っていろいろ調べた。

現時点でうっすらとわかっていることとして、OmegaTを使用したプロジェクトでのTMはLevel1のTMXファイル(OmegaTプロジェクタフォルダ内にあるTMXファイル)をTRADOS形式のTMXファイルとしてインポートしてしまえば良いらしいのではということ。もしこの理解が間違っていたらコメントなりツイートなりでご指摘お願いします。
とりあえず一度やってみた。エラーも出ずインポート自体は完成したけど、訳文マッチ・ファジーマッチとかでまだ確認できていないので、実際使えているのかどうかちょっとわからない。TMのインポートに関しては、以下のSDLのオンラインヘルプを参考にした。

追記:できました。OmegaTプロジェクトフォルダに生成されるLevel1のTMXファイルをインポートすることで、きちんと使えるようになりました。マッチ部分ではサジェストが出ます。

OmegaTでは、基本、用語集は、UTF-8エンコーディングで記述され(拡張子は.txtや.utf8)、タブ区切りで記述されたプレーンテキストファイル。用語集ファイルの構造は単純で、最初の列に原文の用語、2番目の列に対応する訳文の用語、そして3番目の列に(任意で)内容に関するコメントを加えることが可能。そこでこのタブ区切りの用語集ファイルを.xlsxに変換する。そしてそれをSDL MultiTerm ConvertでTRADOSで使える形式にインポート・変換するという流れ。実際は以下を参考にしてやってみたらきちんとTRADOSに対応した用語集データベースを構築することに成功。

それと、TRADOS2015で導入されたらしき機能、「訳文ファイルからの更新」も重宝している機能の一つ。
生成された訳文ファイルに変更を加えた場合、そのファイルからsdlxliffに自動で変更を反映することができるというもの。これは、例えば、訳文ファイルをネイティブチェッカーに回してチェックされたものの変更部分を、そのまま自動でsdlxliffに反映させてTMを更新することが可能になる。自分の仕事形態ではとても助かる。以下を参考にした。

というわけで、自分の中でいろいろと変化のある夏となっている。
TranslationWorkspaceといいTRADOSといい、自分が現時点で使えている機能はまだまだ氷山の一角。
特にTRADOSについては、諸先輩方が多くの有益な情報を発信されているのでいろいろと参考にさせていただきつつツールに慣れていきたい。
ツールに使われるのではなく俺がツールを使うのだ!
というわけで頑張る。

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2 thoughts on “CATツール”

  1. こんばんは。
    Tradosは2006->2007->2011->2014という感じです。2014は2015付きのが買ってあるので、指定案件が来たらそれでやります。TWも使っていた時期があって、最近また指定で打診があったんだけど、流れてばっかりのエージェントなんですよね。他に開拓しようかな。Trados2014はわたしも分からないときまずエージェントに聞きますが、OJTはありがたいですね。
    用語集というか、今までのTMをエージェントからXbench形式でもらい(無料Ver.で十分)、Grep検索しています。他の案件にどう使えるか、マクロなどの校正に使えると聞いているけどどうできるのか、手が空いたので何とかしたいです。
    用語ベースはMultitermがありますが、使ったことがありません。用語集やレファレンスを複数検索できればいいんだけど、Xbenchでできるかもしれないし、シェアウェアの「全文検索」でもできるかも。
    あとファイル形式は最近大体互換性があるらしいです。

    Reply
    • >hirokoyoshidaさん
      Xbenchですか。聞いたことはありますが、使ったことないので早速試してみます!
      情報ありがとうございます。

      Reply

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